2006年07月27日

「マオ」、すごかったです

ロースクール3年夏学期に受講した「現代中国法」(チェン・ポール教授)の期末課題レポート作成のために「マオ―誰も知らなかった毛沢東」の上・下巻を通読してみました。このリンクからたどれるアマゾンにも既に色んな書評・感想が書かれているので本の内容の紹介などは省略しますが、とにかくすごい内容でした。中国に少しでも興味のある方は、読んでみても損はないんじゃないかと思います。但し、分量が膨大です。現代中国法のレポートを書く前提知識として中国の近現代史を少し眺めてみようという程度のつもりで読み始めたのに、結局これをあらかた読み終えたのがレポート提出締切の前日という悲惨な状況に陥ってしまいました、、、。 
 ということで、レポートの作成にプラスだったのかどうかは何とも微妙ですが、中国の近現代史のことをどうもよく分からずにいた自分としては、これについて考えてみるとてもよい取っかかりになりました。そして、文化大革命って何だったのか、国民党とはどういう存在だったのか、という辺りがはじめに知りたいと思っていた内容だったのですが、この本を読み進む中で、ソ連(およびソ連と関わった東欧各国)の歴史や、北朝鮮、さらにはベトナム、カンボジアなどの歴史についてももうちょっときちんと見てみたいなあと思うようになりました。この点では、この本を読んだことが大きなプラスだったと思っています。

 因みに、中国の近現代史という中で、台湾がどういう存在なのかということも全然よく分かっていなかったので、このこともちょっと見てみたいと思い、大学の図書館でたまたま見つけたのが「台湾入門」です。酒井亨氏というジャーナリストの方が書かれた本で、台湾独立派の擁護に偏っているというような批判もあって本の評価も分かれているようですが、台湾の歴史や現在置かれている状況を考えてみるきっかけとするには、とてもインパクトが強く、僕としては図書館で出会えてラッキーだったなというのが感想です。この本は2001年に出版されたものですが、最近(2006年7月)「増補改訂版」も出されたようなので、興味のある方は一度手に取ってみてはいかがでしょう。この改訂版で追加されたという「民進党政権下の台湾2001‐2005」という部分、早く読んでみたいです。
posted by Takao at 17:35| Comment(2) | Books
この記事へのコメント
『マオ』はものすごい評判になっているそうです。残念ながら僕はまだ読んでいないのですが、歴史についての従来の常識を打ち破る、画期的な書だということは読んだ人から聞きました。石原慎太郎都知事も、ご自身のホームページで『マオ』を大変評価されています。僕も読まないわけにはいきませんね。
Posted by 慎太郎ファン at 2006年08月13日 06:35
「慎太郎ファン」さん、コメントありがとう。石原都知事はビデオメッセージ( <a href="http://www.sensenfukoku.net/video/index.html">http://www.sensenfukoku.net/video/index.html</a> )で随分丁寧に解説・コメントしているんですね。(僕はその中で紹介される周恩来に関する田中角栄の逸話が「へぇ〜」という感じで特に興味深かったです。)あれだけ絶賛されると、確かに「慎太郎ファン」としては読まないわけにはいかないですね。
Posted by takao at 2006年08月16日 09:26