2005年10月13日

うーん、残念。でもなにが「よい」ことなのかって、後々まで分からないものだよね、うん。

うーん、さすがにダメだったか、、、。
先週の金曜日、現行司法試験の論文試験の合格発表がありました。以前ここでも書いた「突飛で無謀な挑戦」ですが、論文試験の不合格という結果であえなく幕が下りることとなってしまいました。1年ちょっとの勉強で司法試験を受けてしまうというのは、自分の能力ではさすがに無謀すぎる挑戦だったようです。そのことはある程度覚悟していたものの、かなりのエネルギーを注ぎ込んでいたこともあり、「不合格」の現実を突き付けられたのはなかなか辛く、ブログでの報告すらすぐにはできずにいた次第です。
でも、人生における出来事で何が「よい」ことで何が「わるい」ことなのかというのは、かなり後々になってみないと簡単には判断がつかないことも多いですよね。むしろ、出来事の後の自分の行動やまわりの環境によってその出来事が「よい」ことだったのか「わるい」ことだったのかが事後的に位置付けられていくことの方が多いようにも思います。これはすなわち、何とかこれからの自分の行動によって、今回のこの出来事を後から振り返ってみたら「よい」ことだったと思えるように変えていこうじゃないかという一種の慰めであるわけですが、でも、そうとでも考えないとやっぱり、辛い。
因みに、この合否発表の直後、自分にとってちょっと嬉しい出来事も立て続けにいくつか起こりました。これらの出来事が嬉しいことだという評価はきっと後になっても変わらないんだろうなあと思います。その辺も合わせてツラツラと自分への慰めを書いておこうかと思います。 
 今年の現行の司法試験が最後のかなりの相対的「広き門」であることを活用して、法科大学院2年生の間に万が一でも司法試験に合格することができれば、2年生後半や3年生で資格試験のことを気にすることなく自分の興味ある分野を深く勉強することができてとってもいいじゃないか、というのがそもそもの「挑戦」の動機でした。しかし、取りあえず、そうしたメリットを享受することは今や叶わなくなりました。自分としてはこれまでにないような相当な努力を重ね、そしてまぐれででもせっかく択一試験に受かることができて、年齢のハンデを多少はプラスに変えることができそうな論文試験にチャレンジする機会を得ることができたのにと思うと、やはりとても残念です。
 でも冷静に考えてみれば、この「挑戦」に向けて費やした努力・労力は、きっと無駄ではないはずですよね。今年の夏休みの緩み加減を見るまでもなく、僕は何かお尻に火がつかないとなかなか真剣に勉強などに取り組むことができず、ついつい日々を要領よくやり過ごしてしまうタイプの人間です。この「挑戦」を自分に課したことで、そうではなかった場合よりもきっとかなり真剣にこの1年ほどのあいだ基本六法の勉強に取り組むことができたものと思います。これは残りの法科大学院での勉強の貴重な素地となってくれるでしょう。
 また、この春たまたま択一試験に合格できたことで、やや司法試験や勉強というものをなめていた部分が少なからずあったと思います。もし仮に今回論文試験にまで受かっていたとしたら、「挑戦」を思い立った頃の高い意識はきっと薄れ、その後の法科大学院での勉強にもあまり身が入らなかったのではないかと思われます。「不合格」という現実を突き付けられたことで、法律の勉強に対する自分の考えの甘さを認識でき、ようやく真剣に勉強に取り組まなければという覚悟が生まれてきたような気がします。「もっときちんと勉強しろ」という暖かい天の声だと受け止めて、頑張らなくてはいけないということでしょう。

 さて、このちょっと辛い発表の直後、何故か、ちょっと嬉しい出来事が立て続けに発生しました。

20051010forte1.jpg まずは発表日だった金曜日に続く三連休の一日目、土曜日。息子の小学校入学後初めての運動会がありました。その中のメインイベントの一つとして、1年生から6年生の各学年のA、B、C組がそれぞれ縦割りで全学年統合のチームを作って競い合う徒競走のリレーがありました。やせっぽちのわが息子が、何故かそれなりに足は速いらしく、1年C組のリレーの代表選手に選ばれました。1年生は第一走者。彼なりに相当緊張しながら、滅茶苦茶頑張って走ってました。で、結果は、上級生の頑張りなどもあり、みごとC組チームが優勝。いやあ、よかった。親バカでかなり盛り上がりました。
 つづく三連休の二日目と三日目、日曜・月曜は、いつものForteチームでリゾートトラスト杯東京湾外洋ヨット選手権に参加してきました。二日連続の雨の中、比較的強めの風(15ノット前後中心。たまに20ノット前後まで吹き上がる感じ)で、メインセールトリマーとしては結構疲れるレースでした。しかし、チームみんなの頑張りが実り、見事Forteチームはクラス優勝(総合でも準優勝でした。結果はこちら)を果たし、初タイトルを獲得しました(レース中の写真などがここに若干出ています)。クラス優勝といっても全部で3艇のクラスの中での戦いだったのでそれほどすごいことではないかもしれませんが、でもヨットレースで前を走るのは何といっても気持ちがいいです。チームで戦って勝ったというのがまたよかったです。表彰式の後は、小さな優勝カップを使ってみんなでシャンパンを飲み干しました。(左の写真は、レース真っ最中、クローズホールドで先行艇を追い上げているところです。右から2番目。黄色い上着を着てメインセールを見上げているのが僕です。)
 そして、この連休中は、東大ヨット部の後輩たちも頑張っていました。今回僕は現地に観戦にいけませんでしたが、ディンギー班が葉山・森戸海岸沖で開催された関東インカレで見事6位入賞を果たし、11月の全日本インカレ出場権を獲得しました。4年生が2人、3年生も2人しかいないという部員不足の中、様々な逆境に耐えながら3年ぶりの快挙となりました。よかったよかった。江ノ島での全日本も是非頑張ってほしいところです。
 で、三連休明けの火曜日、同じく東大ヨット部は、この前紹介したクルーザー班の世界選手権出場などを主な理由として、東京大学の総長賞というものを授与されました。その授与式が東大の駒場キャンパスで行われ、総監督補佐(はい、中途半端です)をしている僕も出席してきました。授与式後の懇親会の最後に応援部が東大の応援歌「ただ一つ」とエールを披露してくれました。これまで野球場や砂浜(たまにヨットレースの出艇時の応援に来てくれることがあります)のようなオープンな場でしか聞いたことがなかったのですが、建物の中で聞くとまた全然違った迫力で、なかなか感動ものでした。これも後輩たちが総長賞をもらえたおかげ。よかったよかった。

 てなわけで、人生、ちょっと嬉しいこともたくさんあるし、一旦おこってしまったちょっと辛い出来事もその後頑張ればプラスに変えていくことも十分不可能ではない訳だし、まあ、これからも頑張って楽しんでいこうと自分に言い聞かせるこの一週間でした。
 
 
 
【追記 @2005/10/14 05:00】
 と、いろいろ慰めを書いた翌朝、気が付いてみたら司法試験の成績通知葉書が自宅に届いているのを発見しました。結果は以下の通り。思ったよりも良い評価をもらった科目も多かったようで、合否ラインが132.75点だったところ、自分の得点は130.94点。2点弱、400番ほど届かなかったんですね(合格者数1,454人のところ1,850位)。惜しい、、、。憲法のFと民訴のGが致命傷だったようです。因みにこの2科目、法科大学院の1年生で二つだけもらえたA+の科目と見事に一致。何とも皮肉ですが、もしかすると無意識のうちにそれが油断を生んでいたのかも。
 いずれにしても、何とも微妙な成績ですが、これを励みにも戒めにも受けとめて、これからもっと頑張らなくてはということですね。

<結果>
 憲法 F
 民法 A
 商法 A
 刑法 D
 民訴 G
 刑訴 A
 総合 A
 得点 130.94
 順位 1,850
posted by Takao at 13:19| Comment(3) | Law
この記事へのコメント
辛いことがあった直後に自分の気持ちを正直につづること自体結構辛いものだよネ。そんな中言い訳など一切無く自分自身に正直に言い聞かせている気持ちが伝わってきました。
この1年半、遊びに誘ったり、ヨットの手伝いを頼んだりと勉強の邪魔ばかりしてきたことを謝ります。
でも「評価は失敗の受け止め方にある」というのは同感です。これからも時々邪魔をすると思うけど、それにめげず再挑戦してください!
Posted by 桑原 啓三 at 2005年10月17日 08:43
わおー!残念。惜しいなあ。惜しい。(のっけから軽いノリですみません)ご自身のおっしゃるとおりその辛さは大変なものとお察しします。私も悔しさで悶絶してます。あと試験まで9ヵ月?体をいたわりながら戦ってください。(こんなときお気楽なコメントを出せる「田舎の友達」より)
Posted by 藤田英樹 at 2005年10月17日 18:05
桑原さん、藤田くん、それに個別にコメントを送ってくれた皆様、有難うございます。
どうにも未だに脱力感から抜け出せずにおりますが、まあ、結果は結果で受けとめるしかないんですよね。気持ちの自然治癒を待った上で、次に向けて頑張ろうと思います。
因みに、知り合いの中には0.5点、100番足らずで不合格という不運な人もいました。その人より、さらに惜しかった人も100人くらいいる訳ですよね。試験というのはなかなか厳しいものです。それを強烈に実感できただけでもプラスだったかも。
未だに、慰めモードの私です、、、。
Posted by takao at 2005年10月17日 23:23