2004年02月12日

ちょっと変わった「トーダイ」本

ある方から面白いよと薦められて「『東大に入る』ということ 『東大を出る』ということ」という本を読みました。東大を卒業して数年経ったばかりの若者三人が、それぞれ自分のこれまでの人生を「東大」に絡めてギッシリと書き込んでいる訳ですが、身につまされる部分も多々あり、なかなか面白く読めます。高校生やその親、先生達などに、もっとたくさん真面目に読んでもらえるといいのになあと思わせられる本でした。 本のタイトルは、「『東大に入る』ということ 『東大を出る』ということ」(プレジデント社、2003年12月18日)。著者は中島敏<東大法学部初のプロボクサー、たった3ヶ月で電通退社>、平林慶史<東大→東大大学院→中退して教育関連ベンチャー>、出雲充<東大→東京三菱銀行1年弱で退社→プータロー>という3人で、いずれも東京あるいは大阪の中高一貫有名進学校出身のお受験エリートでもある。
 本書の責任編集者・原孝氏のあとがきによれば、「日本人の多くは、プロ野球の読売ジャイアンツを語る時よりも、自民党を語る時よりも、「東大」を語る時の方が積年の羨望と嫉妬を複雑に交錯させる。<略>東大を卒業して間もない者が「自分の人生」を赤裸々に語りながら「東大」について語った単行本は一冊も見あたらなかった。ならば、それを世に出すことで、若者社会のみならず、日本人の意識構造に長年引っ掛かっている「トゲの存在」を認識させ、あわよくばそれを取り除くことの出来る人が出てくるかも知れない、と考えた」のだそうだ。
 確かに、これまで自分も色々と感じてきていたことではあるが、あまり活字ではみたことがないストーリーや考えが随所に出てくる、なかなか面白い本である。著者の3人がホントに真剣に色んなことを考えて、極めて真面目に文章を吐き出している感じが見て取れるところがまたとても良い。全体を通して何度も出てくるポイントが、ほとんどの東大生は(そしてこれは日本の他の大学生全体にも結構当てはまるのではないかと思うが)、大学に入る前も、大学にいる間も、大学を出てすぐの頃も、「自分の頭で考える」ということが全然出来ていない、ということだ。自分自身もまさにそうなので、とても身につまされる思いな訳だが、この本、大学受験を始める前の高校生くらいの人達がたくさん真面目に読んでくれるといいなあと感じた。そのくらいの子供を持つ親や、そのくらいの子供に関わる先生達にも読んでみて欲しい。
 それにしても僕自身も、自分は何で東大に入ったのか、その後何で日銀に入ったのか、ってその当時はほとんど全く何も考えてなかったもんなあ。今から考えてみれば、人生の時間の使い方の中でそんなに大切なことについて、全くの思考停止状態であった訳で、テストには強かったんだろうけど、まさに「大バカ」以外の何者でもない。
 著者の一人、出雲氏が東大在学中に米国スタンフォード大学の学生達と交流する機会があった時に、スタンフォードの学生から「東大というのは日本ではそこそこ優秀な学生が集まる大学なんだろう。そこを卒業しても、起業することも挑戦することもなく誰かに雇われる人生に自ら進んでいく君の人生はヘボイと言わざるを得ないけど、東大生って誰もがそうなのか?」と言われ、最高に「カチンと来た」が、「何も言い返すことが出来なかった」そうだ。
 せっかくの人生、自分の頭でよく考えて、自分自身にとって一番満足出来るものにしていきたい。
 ところで、前回書いたように、僕自身は今、東大の大学院に行こうか、大宮法科大学院に行こうかと悩んでいたところなので、次元はちょっと違うが結構タイムリーな本だった。前回自分が東大に入学した時は、上述の通りまさに思考停止状態だったけれども、今度は自分のやりたいことが決まっていてそのためにどの大学院の教育体制を活用したらいいかと考えている状態なので、多少は進歩出来たのかなと、取りあえず勝手に安心している。
posted by Takao at 15:51| Comment(2) | Books
この記事へのコメント
中村さんならではのコメントですね?
がんばってください。僕も中村さんのやる気を少しでもいただいて
がんばりたいと思います。
Posted by 番匠 修二 at 2004年02月13日 18:53
番匠さん、コメント有難うございます。
こんな話しをブログに出してる東大卒の人間なんてきっと相当に「やなヤツ」って感じなんだろうなあと思いつつ、この本を読んで、いろんなことを思い切って書いている若い人達のことを思ったら(実際読んでみると、結構「何なのコイツ」と思いたくなるような箇所が沢山ある訳ですが、、、)、僕も思ったことをもっとストレートに表現していくべきだなと、多少感化されたところがあり、このコメントをブログに載せたというのが本音です。
まあ、人に評価されるために生きていても結局最後は虚しいような気がするので、僕もこれからもっと素直に、ストレートな生き方をしていきたいなあと、大袈裟に言うとそんな心境です。って、ちょっと大袈裟すぎましたね。でも、僕にとっては「自分に対して素直にストレートに生きる」って、結構すごく困難な課題だったりします。僕なりに頑張ってみようと思います。
Posted by takao at 2004年02月13日 20:41