2004年02月04日

人生に「失敗」はないという郡山さんのお言葉

先日、ソニー元役員・現顧問の郡山史郎さんの講演を聞かせて頂く機会がありました。「あなたのこれまでの人生で一番の失敗は何ですか?」という質問に答えるのは極めて難しいという郡山さん。「失敗は成功のもと」という昔からの言葉がありますが、このことを淡々と実感させてくれるとても気持ちの良い講演でした。講演のテーマは「失敗とそこからの復活」というようなものについてでした。
講演の前に、郡山さんが実際に登場するNHKのプロジェクトXの番組のビデオをまず鑑賞。これは、終戦から10年ほど経った当時、日本製品は「安かろう悪かろう」で、「Mada in Japan」が粗悪品の代名詞だったような頃に、ソニーが日本製のトランジスタラジオを欧米で販売していく悪戦苦闘の過程を編集した内容だったのですが、その中でドイツへの販売開拓を任されて赴任し、1年間で徹底的に打ちのめされて、とうとうドイツでは1年間で1台もラジオが売れないまま病に倒れて無念の帰国をする青年として登場していたのが郡山さんです。当時の郡山さんの写真がソニーのホームページに出ていました(それにしても、このページによると当時のソニーの社員募集のコピーが「英語でタンカのきれる日本人求む」だったというから、さすがソニー、なかなか面白いですね)。
郡山さんのお話によれば、これまでで一番の失敗をあえてあげるとすればこのドイツでの経験ということになるんだそうですが、逆に、この経験があったお陰で、その後巡ってきたチャンスの際には、身体に無理をかけないことを念頭に用意周到に準備を行って、着々と成功を収めてこられたそうです。あのドイツの苦い経験以降は特に大きな病気にかかったことは一度もないとのことで、まさに、あの失敗があったからこそその後の様々な成功を成し遂げることが出来たので、ドイツでの経験が自分にとって失敗だったのだと否定的に認識することがとても難しいのだそうです。「あなたのこれまでの人生で一番の失敗は何ですか?」という質問に答えるのが極めて難しいという所以です。
このコンテキストで郡山さんがあげた例にエジソンの電球発明のお話しがありました。エジソンは電球を発明するまでに千回以上も実験で失敗を繰り返したらしいのですが、エジソン自身は、それらの実験は「この素材はフィラメントとして利用できないのだということをきちんと確認することが出来た」という意味でそれぞれ全て成功であったとコメントしていたそうです。
また、郡山さんはこれまで数々の失敗や苦境に立たされた時、何故か不思議と誰かしらがチャンスや転機を与えてくれて、良い方向へ良い方向へと進んで来られたそうです。郡山さんはこのことをいくつかの具体例をあげて説明されましたが、さらにこれに関連して郡山さんは、ご自身が気に入っているというこんな欧米のジョークを披露されました。「ヨーロッパのとある谷底の村に教会があった。ある時、大雨になり村を大洪水が襲い始めて村人が避難することになった。何人かの村人がこの教会の神父さんのところに来て洪水が来るから早く一緒に逃げようと誘ったら、神父さんは『私は信心深くて神が奇跡を起こして救ってくれるので大丈夫。教会を離れて避難することはしない』と言って断った。しかししばらくするとやはり大洪水で水位が上がり、神父さんは教会の屋根の上に登って耐えていた。そこへ消防隊の人達がボートでやってきて早くこれに乗って避難しましょうと誘ってくれたが、やはり神父さんは『私は信心深くて神が救ってくれるので大丈夫』と言って断った。さらに洪水は激しくなり、とうとう教会の屋根も水没してしまったので神父さんは屋根のてっぺんの十字架によじ登って耐えていた。そこへ救助隊の人達がヘリコプターでやってきて早くこれに乗って避難しましょうと誘ってくれたが、やはり神父さんは同様の理由でその誘いを断った。洪水はさらに激しくなって教会の十字架も水没してしまったので、とうとうその神父さんは溺れて死んでしまった。死んでしまった神父さんは、天国の入り口の番人に『神様はひどい。私はあんなに信心深く神様を信仰していたのに、結局奇跡を起こして救ってくれたりなどしなかったではないか』と訴えた。それに応えて番人いわく、『いやそんなことはない。神様はきちんと3回もおまえに救いの手をさしのべたはずだ』。」
神は人を介して救ってくれるという訳で、人からさしのべられた救いの手には、素直にありがたく感謝して救ってもらいましょうということのようです。せっかく巡ってきた救いの手を見逃したり拒絶したりしては、なかなかチャンスをものには出来ないということですね。
posted by Takao at 05:37| Comment(1) | General
この記事へのコメント
中村さん
ご無沙汰しております。番匠です。
中村さんのブログは、二瓶さんからご紹介で今わかりました。
お元気でしょうか?

人からさしのべられた救いの手には、素直にありがたく感謝して救ってもらいましょうということのようです。

これは、なかなか感慨深い言葉ですよね?
人は一人では生きていけないものですものね。
コミュニケーションの意味を改めて実感しました。

そういう意味でも、ウェブログは、とっても便利なツールですね。
新春のジョーイさんの講演でも、さかんにブログのコミュニケーションツールとして最適であることをおっしゃっていました。
僕もジョーイさんの講演後、すぐに自分のブログ(稚拙ではありますが)とりあえずトライしてみました。

また、コメントさせていただきます。
Posted by 番匠 修二 at 2004年02月06日 09:39